曹洞宗について、通常のお盆との違いから注意点、準備に必要なものや流れを知っておくことで、心配や不安が和らぎます。
先立たれた方にも残された方にも、まごころを込めて準備したいですよね。
もっと詳しく説明すると、四十九日が明けてから初めて迎えるお盆のことで、旅立たれた方が初めて里帰りするのをしっかりお迎えすること。これが曹洞宗の初盆のこころです。
初盆では、通常のお盆とは違った準備が必要になります。
初盆の準備のやり方は、故人が属する宗派によっても違います。
今回は曹洞宗について、初盆の準備の流れをご紹介します。
初盆の準備をする曹洞宗の方へ贈る!掴んでおきたい7つの流れを解説!
初盆は、以降毎年行うお盆と違って、
初めて帰ってくる故人を手厚く迎えるための準備をします。
通常では故人と親しかった人や親戚や家族が集まり、法要を行います。
以下にご紹介する初盆の準備はそういったことを仮定して、流れを解説していきます。
比較的余裕を持てるものに分けられます。それぞれにタイプ分けして、ご紹介しましょう。
◎早めに行うべき初盆の準備
菩提寺に連絡、お坊さんを手配する
菩提寺とは、先祖代々のお墓があるお寺のことを差します。
初盆には法要を開くことが多いので、その旨をお寺に相談し、お経をあげてもらうお坊さんを手配する必要があります。
これはこちらの都合ばかりでできる準備ではないので、法要を行うことが決まれば、なるべく早く手配を頼むことが重要です。
お盆の時期はお寺も多忙になり、檀家を多く抱える場所は特に、お坊さんがつかまらないことも考えられるからです。
遅くとも1か月前には、法要でお経をあげてほしいとお願いしておきましょう。
初盆の案内状を送る
故人の初盆を行うにあたり、参加してほしいと思う方々に案内状を送りましょう。
相手の都合を考え、こちらも早め早めで動くのが望ましいです。
初盆を行う期間は、会社が休みになる人も多いです。
他の予定を入れてしまうことも考えられますので、早めに初盆のことを知らせておくといいでしょう。
初盆の法要に来る人数を把握しておけば、次の流れにも大変役立ちます。
会食の手配
お坊さんを呼ぶ準備と同様に、会食の手配もなるべく前もって行います。
大人数で会食を行う場合、急な予約にはお店が対応してくれないことも考えられます。
会食が行われる可能性の高いお店は、お盆になると混みます。
それを見越して、早めに押さえておくのがいいでしょう。
会食をする会場を早めに準備するためにも、案内状を早く送る必要があります。
◎比較的余裕を持てる準備
お墓、お仏壇を掃除する
故人を気持ちよく迎えられるよう、お墓や仏壇をきれいにしておきます。
お墓やお仏壇を掃除するには、晴れた日を選びましょう。
雨の日だとお墓の掃除をするのも大変ですし、お仏壇は木製で、湿気に弱いという弱点があります。
・お仏壇を掃除するポイント
お仏壇には、細々とした仏具が配置してあります。
掃除に不慣れなら、掃除をする前に写真を撮っておくといいでしょう。
掃除を終えたはいいが、仏具をどこに戻せばいいのか分からないといったことがなくなります。
これから初盆の準備をする人は、掃除の前に1枚パシャリとするのをお忘れなく!
・お墓を掃除するポイント
お墓は周囲の雑草を抜き、見苦しくないようにしておきましょう。
墓石も磨いてきれいにしますが、きれいにしたいあまり、洗剤を使うのはあまりおすすめできません。
石に関する専門的な知識があれば別ですが、適当に選んだ洗剤を使うのはNGです。
ひどい場合には、墓石の変色を招く原因になります。
墓石に付く汚れは、基本的に水洗いで十分落とせます。
石に傷を付けないように、柔らかいスポンジで優しく水洗いしましょう。
提灯を用意する
曹洞宗の初盆では、玄関や仏間の窓際に提灯を飾る習慣があります。
そうやって、故人を迎えるという意味があると言われています。
この時準備する提灯にも、注意が必要です。
提灯にもいくつか種類がありますが、曹洞宗の初盆で使うのは白提灯です。
白提灯には白木が使われており、これには無垢や清浄といった、清らかな意味があります。
その意味が、初盆に故人を迎えるのに相応しいとされているのです。
お返しの準備
初盆には、故人へのお供え物をいただくことが考えられます。
お供え物へのお返しも、初盆の準備として忘れてはならないことでしょう。
お返しの相場としては、いただいた物の半分~1/3程度だと言われています。
初盆で法要を行い、その後に会食をするなら、会食そのものが返礼品という扱いになります。
ただし、会食後に引き出物を用意するのが望ましいでしょう。
こちらは1,500円~3,000円程度の金額でOKです。
お返しの内容としては、お菓子やそうめんなどに代表される食べ物、あるいは洗剤やタオルなどの消耗品、日用品も喜ばれます。
精霊棚の準備
曹洞宗の初盆を迎えるにあたり、精霊棚というお供えを置くための場所を準備する必要があります。
曹洞宗の初盆では、主に以下の物を準備するとされています。
★白い布
・こも(むしろのようなもの)
・竹
・縄
★団子やぼたもち
★そうめん
★浄飯(炊き立てご飯を盛り、山の中央に箸を立てた物)
★生菜(新鮮な野菜)
★季節の果物
★精霊馬
★水の子(洗ったお米、ナスとキュウリを小さく賽の目に切った物)
★浄水(ミソハギという植物の葉を浮かべた水)
★ろうそく
★お花
★香炉
★マークは、曹洞宗である夫の実家が毎年のお盆に用意している物です。
初盆以降の準備として、参考になればと思います。
お住いの地域、あるいはおうちのやり方を参考に、準備してくださいね。
以上、曹洞宗の初盆に必要な7つの準備について触れてきました。
通常のお盆以上に、初盆の準備には時間がかかります。
時間に余裕を持てる準備として紹介したことも、なるべく余裕をもって行うことをおすすめします。
曹洞宗の初盆に出ることになったら?参列者が知っておく3つのこと!
親戚などの繋がりで、自分たちとは異なる宗派の初盆に参列する機会もあるのではないでしょうか。
いざ初盆に参列することになって慌てないように、どうすればいいのか知っておくと便利です。
●服装
初盆に参列する人は、多くの人が喪服を着ることが多いです。
しかし、喪服に準ずるような服装であれば、こだわる必要はないとも言われています。
初盆の時期は大変暑いので、ある程度きっちりしていれば、過ごしやすい服装で構いません。
男性なら、白いシャツに黒やグレーのズボン、スーツでもOKです。
スーツを着用する場合には、派手なタイプは避けましょう。
近しかった人の初盆に参列する場合でも、あまりにカジュアル過ぎる服装はおすすめできません。
●お供え物
特に断られなければ、初盆にお供え物を持って行くといいでしょう。
精霊棚に供えてもらえるような果物、お菓子などでもいいでしょう。
お供えした物は、参列した面々で分けて持ち帰ることが多いです。
食べ物にする場合には、個包装の物が分けやすくておすすめです。
ちなみに、初盆のお供え物としてよくない物もあります。
うっかり持って行ってしまわないよう、注意しましょう。
日持ちしない物は、お供え物として適していません。
肉や魚などの生ものは殺生を連想させるので、これもいけません。
昆布や鰹節などは日持ちして使い勝手もいいですが、祝いの意味があるので、こちらも初盆のお供え物には適していません。
●御提灯代
曹洞宗の初盆では、参列する親族が絵柄の入った「盆提灯」を贈る習慣がありました。
最近ではこれが薄れ、提灯そのものではなく、現金を包んでその代わりとするケースが増えています。
現金を包んで提灯の代わりに渡す場合は、「御提灯代(御提灯料)」と表書きしておきます。
包む金額の相場としては、3,000円~5,000円、あるいは1万円くらいです。
初盆では会食が行われることも多いので、その分を踏まえて包むこともあります。
まとめ
恥ずかしながら、結婚するまでそういう宗派があることを知りませんでした。夫の実家では、お盆の準備は義母が中心となって行われています。
夫は長男なので、いずれは私がその役目を継ぐことになるでしょう。同じような立場で、急に曹洞宗の初盆の準備をしなくてはならない方もいるかと思います。
そういう方にも、今回の記事がお役に立てば幸いです。
曹洞宗に限ったことではないですが、他宗派の初盆に参列するなんてことになって、焦ってしまう人もいるでしょう。
今回の記事を読んでいただければ、曹洞宗の初盆に関しては、参列する不安も和らぐかと思います。
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