もうすぐお盆の時期ですね。
お盆といえば、「迎え火」の風習がありますが、お墓や家の玄関先で火を焚いている光景を見かけたことがある方もいらっっしゃるかもしれません。
迎え火は、ご先祖様の霊をご自宅へお迎えするための大切な風習です。
いつ、どんなふうにするものなのか、初めてのことでわからないという方は是非お読みいただけたらと思います。
お盆の迎え火とは
昔はお墓で火を焚き、その火を自宅まで持ち帰っていましたが、現在はお墓からの距離が遠かったりと住宅事情や交通事情も大きく変わってきましたので、あらかじめ自宅の玄関先や庭先で迎え火を焚くことが多くなりました。
お盆の初日である8月13日(地域によっては7月13日)の午後から夕方にかけて迎え火の準備をします。
時間帯は特に何時という決まりはありませんが、真っ暗になってしまう前にはお迎えをしましょう。
また、ご先祖様の霊をお迎えするにあたって、精霊棚(盆棚)の準備も整えておきましょう。
精霊棚はお仏壇のあるお部屋に準備することが多いですが、座敷や玄関先にお盆の期間だけ臨時的に設置することもあります。
特別な棚を用意する必要はありません。
程よい大きさの平机があれば、その上に位牌を安置し、香炉や花立て・ろうそく立てを置きます。
そのほか故人の嗜好品、なすやきゅうりで作った精霊馬などをお供えします。
この場所にご先祖様の霊をお迎えすることになります。
迎え火の手順・準備するもの
迎え火で燃やしているものは、「オガラ」という麻の皮を剥いだあとの芯の部分です。
昔、麻が清く浄化された植物とされていたため、ご先祖様をお迎えするために使用されたことがはじまりと言われています。
このオガラは、ホームセンターや生花店で販売されています。
お盆の季節になると、スーパーでも見かけます。
それからオガラを焚くための容器ですが、こちらは「焙烙・ほうらく」という素焼きの平皿を準備します。
もし焙烙がない場合は耐熱皿でも問題ありません。
焙烙にオガラをのせて玄関先で火を焚きます。
この火を目印にしてご先祖様の霊が現世に帰ってくると言われています。
玄関先で灯した火をちょうちんに移して家の中へ持って入り、精霊棚のろうそくにちょうちんの火を灯し、お線香をあげてお参りします。
火が焚けない場所ではどうしたら良い??
近年、住宅事情が昔とは異なり、集合住宅や住宅街の中では迎え火を焚けない場合もあります。
玄関先で火を焚くのはなかなかむずかしいと思います。
そういった場合は「盆ちょうちん」を飾ります。
盆ちょうちんのろうそくの火が心配な場合は、電池式のものがありますのでそちらをお使いになられると火の心配もなく安心して使えますのでおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今年がはじめての「迎え火」というご家庭も多いかもしれません。
宗派によっては迎え火を焚かないという場合もあります。
ご自身の身内の場合でしたら、宗派がわからないことはないかもしれませんが、例えば嫁ぎ先の初盆で、慣わしや風習がわからないといったこともあります。
特に宗教に関しては様々な違いがありますので、事前にご家族に確認して備えておきましょう。
宗派の違いはあるにしても、普段なかなかお墓参りやご供養が出来ないという方はお盆こそ是非、ご先祖様や故人を偲び手を合わせて下さい。
ご先祖様を敬い、日頃の見守りに感謝するという気持ちに宗派の違いはさほど関係ないのではないかと思います。
お役に立てていただけましたら幸いです。
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