秋刀魚の刺身には、焼いたり煮たりしてのでは味わえない美味しさがあります。
しかし、秋刀魚を刺身で食べる場合にはリスクがあります。
秋刀魚にはアニサキスという寄生虫が付いていることが多く、これが食中毒を引き起こすのです。
この記事ではアニサキスのリスクを理解した上で刺身を食べるなら、どういう対策が有効になるか説明します。
秋刀魚を刺身で起こす食中毒に注意!4つの対策とは!?
秋刀魚を刺身で食べる時には、寄生虫のアニサキスによる食中毒に注意しなくてはなりません!
アニサキスは、イワシやサバを始めとした魚介類に付く寄生虫です。
これが誤って生きたまま体内に入ってしまうと、激しい腹痛や嘔吐を起こす恐れがあります。
アニサキスが寄生している秋刀魚を刺身で食べた場合にも、食中毒を起こす危険があります。
アニサキスによる食中毒を防ぐために、どのような対策が考えられるのでしょう?
●目視で発見する
アニサキスは決して小さな寄生虫ではなく、「あ、コレだな」と分かるくらいの大きさをしています。
事実スーパーなどでは、店頭に並べるまでに、目視で魚をチェックして取り除いています。
しかし、取り切れないアニサキスがいるのも事実なので、秋刀魚を刺身で食べようと思ったら、秋刀魚の身をよく観察しましょう。
透明がかったアニサキスは分かりにくいかもしれませんが、怪しいなと思った部分は取り除いておくのがいいでしょう。
●よく噛んで食べる
アニサキスによる食中毒が起こるのは、アニサキスが「生きたまま」体内に入ることによります。
アニサキスは弱い寄生虫なので、体に傷が付けば簡単に死んでしまいます。
取り除けたか心配な場合は、秋刀魚の刺身をよく噛んで食べるようにしましょう。
仮に刺身の中にいたとしても、噛む過程で死んでしまいます。
そういう意味では、刺身を細かく叩くという方法も有効です。
切った刺身として食べるのではなく、薬味と一緒に身を叩けばまた違った味わいになります。
青魚特有の風味が苦手な人は、この方法を試してみるといいでしょう。
ショウガや大葉と一緒に叩くと、さっぱりといただけますよ。
アニサキス対策にもなって一石二鳥です。
●冷凍する
アニサキスは、冷凍することでも死んでしまいます。
秋刀魚の刺身は冷凍ではできないという情報もありますが、まったく不可能というわけでもないようです。
そのやり方を、簡単にではありますがご紹介しましょう。
①秋刀魚は少なくとも1晩はしっかりと冷凍しておきます。冷凍する時間が短いと、アニサキスが死なない可能性もあります。
②冷凍庫から出した秋刀魚は、氷水で15分程度解凍します。秋刀魚を爪で押して、爪が軽く入るくらいになれば解凍完了です。
③内臓を取り出し、三枚おろしにすれば秋刀魚の刺身の完成です。
ポイントは「氷水」で解凍することです。
水では温度が高く、刺身にするには不向きな秋刀魚になってしまいます。
●新鮮なうちに内臓を取り除く
アニサキスは最初、魚介類の内臓に寄生しています。
宿主が死んで数時間経つと、身の方に移ってくるのです。
ということは、秋刀魚が新鮮であるうちに、内臓を取り除くという対策も考えられます。
産地で買った新鮮な秋刀魚なら、すぐに内臓を取り除いてしまいましょう。
以上、秋刀魚を刺身で食べる時に注意したい、4つの対策をご紹介しました。
特におすすめしたいのが、よく噛んで食べるという部分です。
どんなに注意してアニサキスが残っている場合はあるでしょうし、上手く冷凍できないと、刺身としての美味しさもなくなります。
アニサキスそのものに毒はないので、死んだ寄生虫がお腹に入っても食中毒は起こりません。
よく噛むことはそもそも消化にとっても大切なことなので、秋刀魚の刺身はよく噛んで食べるようにしましょう。
きちんと選ぼう!秋刀魚を刺身で食べるために注意したい3つのこと!
アニサキスによる食中毒が起こりやすいのは、刺身にする秋刀魚が新鮮でない(なくなった)ことも考えられます。
こちらでは、選び方に役立つ方法を見ていきましょう。
●秋刀魚の鮮度を見極める!
秋刀魚以外の魚にも言えることですが、魚介類を刺身で食べる場合には、何より鮮度を重視しなくてはなりません。
秋刀魚が新鮮かどうかは、以下のポイントをチェックして見極めましょう。
目が輝いているか?
死んだ魚のような目という言葉があるくらいで、鮮度の良し悪しは目を見るとよく分かります。
秋刀魚の目を見て、澄んでいるなら鮮度は悪くはありません。
黒目がよく見えるかどうかを判断基準にするのもおすすめです。
目が濁っている秋刀魚は、刺身としての鮮度はありません。
煮たり焼いたりして、刺身以外の方法で食べましょう。
身の張りがいいか?
新鮮な秋刀魚はお腹に張りがあり、キラキラと輝いて見えます。
刺身にするなら、そんな秋刀魚を選びましょう。
魚は正直なので、鮮度が落ちるとくたっとして、くたびれた感じになってしまいます。
くちばしが黄色いか?
くちばしというのは、秋刀魚の口先のことです。
新鮮な秋刀魚はこの部分が黄色く、鮮度の落ちに従って、だんだんと茶色に変わっていきます。
秋刀魚を売る産直市場などがあれば、ぜひ確認してみてください。
鮮度のいい秋刀魚は、本当にくちばしが黄色いのです。
以上のようなことを踏まえ、刺身にする秋刀魚を見極めましょう。
刺身にするほどの鮮度がなくても、煮たり焼いたりすれば美味しくいただけますよ。
●刺身で食べるならそれ専用の秋刀魚を買う!
お店で秋刀魚を買い求めるなら、必ず「刺身可」と表示のある秋刀魚にしましょう。
先ほど鮮度について触れましたが、たとえそう見えたとしても、加熱用の秋刀魚を刺身にするのはおすすめできません。
スーパーなどで刺身用の秋刀魚を探すなら、必ず刺身にしてもいい秋刀魚を買い求めるようにしましょう。
勝手な判断で刺身にして食中毒になっても、誰も責任を取ってはくれません。
●酢でしめてもアニサキスは死なない!
強い酸性である酢を使えば、秋刀魚の身にアニサキスがいても死ぬんじゃないか?
そんな風に思う人もいるかもしれません。
ところがそれは大間違いで、アニサキスは酢でしめたくらいでは死なないので注意が必要です。
人の胃袋の中でも数日生きて悪さをするくらいですから、酢ぐらいでは死なないのです。
しめ鯖など酢じめにされた魚は、鮮度が悪くなったのを使っているわけではありません。
鮮度のいいものを適した方法で酢じめにしているので、素人が勝手な判断で真似するのは止めておきましょう。
秋刀魚の刺身が食べたいのなら、刺身にできる鮮度の秋刀魚を選ぶべきです。
それ以外は、まず危ないと心得ましょう。
まとめ
大人になってから、秋刀魚の刺身を食べたことがあります。
秋刀魚は産地直送で送られてきた新鮮なもので、刺身でも食べられるということで、自宅で捌いて食べました。
当時は今ほどアニサキスが騒がれていなかったので、秋刀魚の刺身で食中毒が起こるなんてまるで頭にありませんでした。
運よく食中毒にならずに済みましたが、今考えると少し怖いですね。
魚介類を生で食べる以上、リスクは付き物です。
リスクと付き合いながら、私たち日本人は刺身を食べてきたのです。
秋刀魚の刺身を食べたいなら、ぜひ今回の記事を参考にしていただき、正しい知識を持ったうえで食べてほしいと思います。
アニサキスの最も有効な退治方法は、ずばり加熱です。
しかしそれでは刺身が食べられないので、よく噛んで食べることを忘れないようにしたいですね。
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