お彼岸のお供え物と言えば、おはぎですよね。
素朴な美味しさがあり、お彼岸のお供え物には打ってつけでしょう。
そんなおはぎですが、
なぜお彼岸にお供えするのでしょう?
どうしておはぎという名前なのでしょう?
私たちは、おはぎについて意外と知らなかったりします。
今回は、そんなおはぎにまつわるあれこれの理由についてご紹介しましょう。
今さら聞けない!?お彼岸のおはぎにまつわる5つの理由とは?
こちらでは、「なぜお彼岸におはぎをお供えするのか」を始め、いくつかのカテゴリー別に、お彼岸のおはぎに迫ってみましょう。
なぜお彼岸におはぎを供えるのか?
お彼岸=おはぎで、今まで何の疑問も持たずにお供えしてきた人もいるのではないでしょうか。
お彼岸におはぎをお供えするのには、実はちゃんとした理由があるのです。
理由その①
お彼岸の定番スイーツであるおはぎですが、うるち米をあんこで包んだ食べ物ですね。
あんこといえば小豆(あずき)で、この小豆が、お彼岸におはぎをお供えする理由のひとつなのです。
どういうことか、具体的にご説明しましょう。
節分の豆まきも本来は、邪気を払う力があると信じられてきた、小豆を撒いていたと言われています。
そんなありがたい力のある小豆をつかったおはぎは、ご先祖様にお彼岸に食べてもらうのに相応しいお供え物となったようです。
理由その②
悪いものを退けてくれる小豆で作るあんこも、「あれ」がなければ始まりません。
そう、たくさんのお砂糖ですね。
今の時代ならまだしも、かつては、甘い砂糖は超が付くほどの高級品でした。
それをふんだんに使ったおはぎなら、ご先祖様もきっと喜んでくれるはず!
高級な砂糖を使ったおはぎをお供えすることで、先人はご先祖様への感謝の気持ちを示そうとしたのです。
理由その③
お米をあんこで包んで作るおはぎは、米とあんこを「合わせる」という見方もできます。
そんなおはぎの作り方にちなみ、ご先祖様と自分たちの心が合わさることを願って、お彼岸にはおはぎを供えるようになったのです。
理由その④
お彼岸におはぎをお供えするのは、そもそもは、あの世にいるご先祖様がお腹を空かせないようにするためです。
単なる食べ物ではなく、邪気を払う小豆や砂糖を使ったおはぎを供えることは、ご先祖様のためになると考えられたためでした。
お彼岸のおはぎは、なぜ「おはぎ」と呼ばれるのか?
おはぎと聞くたび、何か疑問が思い浮かびませんか?
おはぎとほぼ同じ食べ物に、「ぼたもち」という物がありますよね。
ぼたもちとおはぎは、ほとんど同じものであると言っても過言ではありません。
では、お彼岸に食べるアレは、どうしておはぎと言うのでしょう?
また、おはぎと似たアレは、どうしてぼたもちと言うのでしょうか?
お彼岸に出回るおはぎをそう呼ぶのは、秋に花を咲かせる萩という植物に由来しています。
萩とは秋の七草にも数えられている植物で、あずきに似た小さな花を咲かせます。
それに加えて知っておきたいのは、お米をあんこで包んだあの食べ物をおはぎと呼ぶのは、秋のお彼岸だということです。
近年ではおはぎという呼び名が1年を通して定着していますが、春のお彼岸に食べるのは「ぼたもち」と呼ばれています。
- おはぎは秋のお彼岸のお供え物
- 小豆に似た花を秋に咲かせる、萩という植物がある
この2点を踏まえて、秋のお彼岸にお供えするあの食べ物は、おはぎと呼ばれるようになったのです。
おはぎがおはぎと呼ばれる理由は、他にも反映されています。
たとえば、ぼたもちとおはぎの大きさを比べてみましょう。
諸説ありますが、ぼたもちは大きめ、おはぎは2口程度で食べてしまえる小ぶりなサイズとされています。
ぼたもちは春のお彼岸で定番のお供え物ですが、その名は、牡丹の花にちなんでと言われています。
牡丹の花は大輪なので、春のお彼岸に食べるぼたもちも、牡丹の花を思わせる大きさなのです。
一方、秋のお彼岸のおはぎは、萩の花にちなんで名付けられています。
萩の花は小さいので、そこから名前をもらったおはぎも、小ぶりなサイズになっているのです。
このように、お彼岸のおはぎには、知ってなるほどと思える理由が隠されていました。
今年の秋のお彼岸には、先人たちの考えたおはぎに思いを馳せ、ゆっくりと味わってみてはいかがでしょうか。
お彼岸のおはぎとぼたもちはどこが違う?もっと知りたい2つの違い!
せっかくお彼岸のおはぎとぼたもちの話が出たので、これらをもっと掘り下げて見ていきましょう。
共にお彼岸のお供え物であり、供える理由も同じです。
先ほど、大きさの違いについては触れましたが、まだまだ他にも、意外と知らない違いがあるのです。
「こしあん」か「つぶあん」か
家でお彼岸のおはぎを作る場合、あまり気にしていないことかもしれません。
実は、お彼岸のぼたもちとおはぎには、こしあんとつぶあんを使うという違いがあるのです。
ぼたもちにはこしあん、おはぎにはつぶあんを使うと言われています。
同じお彼岸のお供え物ですが、どういう理由で、こんな違いがあるのでしょう。
その理由は、次の説明を聞けば、なるほどと納得できるはずです。
これは元々、秋に収穫した小豆を使ってあんこを作ったことに由来しているのです。
秋に収穫したばかりの小豆は皮も柔らかく、そのままあんこを煮ても、皮ごとつぶあんとして美味しく食べられます。
そんな理由があって、おはぎはつぶあんなのです。
一方、春のお彼岸でお供えするぼたもちは、こしあんを使うと言われています。
なぜそうなるのかという理由もまた、小豆に関係しているのです。
そのため、つぶあんとして食べるには、皮の硬さが気になってしまうのです。
収穫から時間が経った小豆を使うために、春のお彼岸のぼたもちは、皮を除いたこしあんを使うようになったのです。
使うお米の違い
ぼたもちもおはぎも、お米をあんこでくるむ食べ物ですよね。
あんこの下にどんなお米を使うかで、ぼたもちとおはぎを分けることもあります。
うるち米とは、ご飯として食べるお米のことです。
そういう理由で分けられている一方で、この区別方法には諸説あるとも言われています。
また、家庭で作る場合には、その家のアレンジが加わる可能性もあります。
たとえば夫の実家は、おはぎを作るにも、もち米とうるち米の両方を使います。
おはぎとぼたもちを分ける理由としては、こういう考え方もあるんだと、それくらいに思っておくといいでしょう。
まとめ
義母はマメな人で、毎年2回のお彼岸には、必ずおはぎ(ぼたもち)を作ってお供えしています。義母の作るおはぎは、ちょっと変わっています。
あんころ餅のようにあんこをお米で包み、表面にきなこをまぶすというスタイルなのです。
義母曰く、こうやって作ると手が汚れないからだとかで、私も真似をするようになりました。
あんこをまとわせるのが苦手な人は、ぜひお試しくださいね。
そんな変わり種のおはぎですが、そこに込められた思いに変わりはないと思っています。
今では入手しやすい小豆や砂糖を使っておはぎを作っても、昔の人々が感じていたことと何も変わりはありません。
ご先祖様に対する思いを大切に、今年のお彼岸もおはぎを供えましょう。
手作りでも買って来ても、思う気持ちを込めることが大切なのではと思います。
コメント