最近、ストレスのせいか胃の調子がよくない・・・
なんとなく胃の調子が気になるあなたに是非知ってほしいのです!
胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の患者に多く、その上胃がんを引き起こす細菌として知られている「ピロリ菌」の存在です。
知らずに放置しておくと、大変なことになる可能性があります。
あまり知られていませんが、「ピロリ菌」は、WHOが1994年に胃がんの確実発がん因子と認定したのです。しかも「アスベスト」と同じ最高危険度の「グループ1」の認定なのです!
この「ピロリ菌」についての正しい知識を目一杯分かりやすく解説します!
ピロリ菌発見でノーベル賞
オーストラリアにあるロイヤルパース病院の病理医(当時)だったウォーレン先生は、1979年に胃炎患者の胃粘膜から、未知の細菌(ピロリ菌)を発見しました。その後、後輩のマーシャル先生と共同研究を重ねて、次のことが分かったのです。
これまで:消化性の潰瘍などの主な原因はストレスや生活習慣と考えられていた
研究成果:胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍はピロリ菌の感染が引金になること
これらの活躍のために、両先生は2005年にノーベル医学生理学賞を受賞しました。
ピロリ菌とは、正式にはヘリコバクター・ピロリ (Helicobacter pylori) といいます。
「ヘリコ」は螺旋(=らせん)のことで、「バクター」は細菌(バクテリア)のこと、そして「ピロリ」は胃の幽門(=ゆうもん、胃の出口で十二指腸に連なる部分)のことです。つまり、ヒゲのような鞭毛(べんもう)を螺旋状に旋回させる、胃の幽門から見つかった、細菌のことです。
<出典:ピロリ菌ネット>
見過ごせない存在のピロリ菌
胃がんの原因
・ピロリ菌は胃がんの原因の9割を占めるとされています。
・日本では年間約12万人以上が胃がんと診断されます。
・日本では年間約5万人が胃がんで亡くなっているのです。
・日本の胃がんによる死因は肺がんに次いで2位に位置します。
・日本の胃がん発症率はアメリカの発症率より10倍も多いのです。
・日本のがん罹患率は胃がんが第1位なのです。
<参考:日本経済新聞>
慢性胃炎および胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因
胃の中に住み着いて悪さをするピロリ菌は、胃がんの前段階でも問題です。
慢性胃炎や胃潰瘍、そして十二指腸潰瘍の原因でもあるのです。
すべての人が感染しているわけではありません
日本人の場合、高年齢の人ほど感染率が高くなっています。
60歳代では60%以上、「年齢%」と言われています。
原因は昔の環境インフラが整っていなかったために感染が多かったと考えられています。
離乳食などを親が口に含んで柔らかくしたものを子どもに与えるなど。
実際に衛生環境が格段に良くなったことで、最近の若い世代は感染率が低くなっています。
とても参考になるページですので是非ご覧くださいね。
参考:「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」に対する除菌治療に関するQ&A一覧
日本消化器病学会ホームページより
ピロリ菌が原因の病気
ピロリ菌が関連する病気
・胃炎
・胃潰瘍・十二指腸潰瘍
・胃がん
・胃MALTリンパ腫
・突発性血小板減少性紫斑病(ITP) など
※ピロリ菌に感染したら、これらの病気に必ずかかるということではありません。
ピロリ菌は除菌治療で胃から追い出すことができます
検査によってピロリ菌に感染しているかがわかります
検査は次の2つの方法があります。
・内視鏡による検査
内視鏡で組織を取り、顕微鏡や培養などによって判定します。
・内視鏡を使わない検査
検査薬を飲んだ後に吐いた息によって判定する検査
血液、尿、便から調べる検査
除菌が勧められる病気
日本ヘリコバクター学会は、ピロリ菌に感染した人すべてに除菌を勧めていますが、保険で治療が受けられるのは以下の病気だけです。
保険治療可能な病気
・ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
・胃潰瘍・十二指腸潰瘍
・早期胃がんで内視鏡的治療を受けた人
・胃MALTリンパ腫
・突発性血小板減少性紫斑病(ITP)
除菌の方法
ピロリ菌を除菌するために
胃酸を抑える薬(PPI)と2種類の抗菌薬(計3種類)を1日2回、7日間飲み続けます。
(出典:OLYMPUSホームページ)
まとめ
ピロリ菌について調べていく中で、いくつかのことが深く理解できました。
それは、現場の医師たちが「胃がん撲滅」のためにいかに努力しているか。という強い姿勢を、多くのサイトの文言から受け取ることができたことです。
胃というものは、身体の中心に位置していることもあって、調子が悪くなると、メンタルにもかなり響いてきます。
胃の疾患は早期に発見したいものですが、ピロリ菌のように静かに侵食してくる細菌が存在しています。
特にアジアに住む人達の発症率が高いのが特徴で、日本人が狙われている感じを受けます。
胃炎や胃潰瘍などの保険適用も、5年前にやっと認められたことも発症率が高いことと因果関係があったと知りました。
これからますますピロリ菌の除菌治療が進むように願っています。
参考:日本ヘリコバクター学会
参考:日本消化器病学会
参考:厚生労働省
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