敬老の日を前に、高齢者のデータを用いてその動向を調べてみました。
恒例になってきた感がありますが、「過去最高」や「世界最高」などの言葉が並びます。
健康志向や保健医療などへの関心も高いのですね。
よりよくご高齢の方々に感謝し長寿を祝うことができるように傾向と対策を考えてみました。
統計から見た高齢者の動向
総務省統計局では「敬老の日」を迎えるに当たって、統計からみた我が国の高齢者のすがたについて取りまとめました。
データは統計トピックスNo.103を参照しました。
(平成29年9月発表の資料です)
総人口が21万人減少する一方、高齢者は57万人増加
総人口に占める高齢者人口の割合は27.7%と、過去最高
90歳以上人口が初めて200万人を超える
日本の高齢者人口の割合は、世界で最高
高齢者の就業者数は、13年連続で増加し、770万人と過去最多
就業者総数に占める高齢者の割合は、11.9%と過去最高
高齢雇用者の4人に3人は、非正規の職員・従業員
高齢者の非正規の職員・従業員は、10年間で約2.5倍に増加
非正規の職員・従業員についた主な理由は、男女とも「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多
日本の高齢者の就業率は、主要国で最高
交際費、保健医療への支出割合が高い高齢者世帯
高齢者世帯の貯蓄現在高は1世帯当たり2394万円
10年間で2.9倍に上昇した高齢者世帯のネットショッピングの利用
医薬品・健康食品の支出割合が高い高齢者世帯のネットショッピング
高齢者の趣味・娯楽は「園芸・庭いじり・ガーデニング」が最も多い
データから分かる特徴
人口推計から
日本の総人口が21万人減少する中で、高齢者(65歳以上)はこの減少数の3倍近くの増加があったということになります。
総人口に占める高齢者人口の割合は27.7%で、過去最高となりました。
国民の4人に1人以上が高齢者ということなのです。
90歳以上の人口が初めて200万人を超えました。
60代はまだまだ若いですよね。下記の労働力調査からも現役世代ですよね。
労働力調査から
高齢になっても元気で働く人が増加傾向にあるのです。
勤勉な国民性なのでしょうか。いくつになっても労働意欲があるのですね。
家計について
交際費・保険医療への支出割合が高いと、高齢者の人口増に比例して支出総額が増えていることになります。
ネットショッピングを利用している高齢者が増加しているのは理解できます。
今後も増加することでしょう。また、医薬品や健康食品をネットで購入し、この支出割合が高いのが高齢者世帯の特徴という結果なのです。
これらのことから、政府は年金の支給年齢を選択する場合の上限を75歳に引き上げることを検討しているのです。選択肢が増えることは、良いかも知れないですね。
趣味・娯楽について
最も多いのが「園芸・庭いじり・ガーデニング」という結果です。
緑や土などの自然にふれることは、人間の営みには大切なことなのですね。
まとめ
高齢者が大切にしていることを考えてみると、「もの」よりも大切にしているものが「健康」のようです。
健康であれば、楽しい時間を過ごして、これを心に刻むことができます。
「敬老の日」に目を向けると、「もの」よりも「想い出」がより喜ばれるのです。プレゼントはもらって嬉しいでしょうけれど「一緒に過ごす時間」の方がより喜ばれるのです。「まごころ」が最も良い贈り物ではないでしょうか。
理想的な敬老の日は、家族みんなで食事をして一緒に過ごしたいですよね。まごころを込めた手紙と一緒にささやかなプレゼントも喜ばれるでしょう。
敬老の日に関するイベントは、高齢者の増加に比例してますます盛んになるでしょう。需要予測のヒントがたくさん見えてきたのではないでしょうか。
敬老の日の意味や由来についてはこちら
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