「風呂敷」という言葉、「包む」ものなのに、なぜ「敷く」という言葉なの?
素朴な疑問です。
風呂敷は「言葉は変化しない」のですが、使う場所が変わったのです。
どんな変化があったのか知りたいですよね。
今回は素朴な疑問を持ったあなたのために!
「風呂敷」の由来と使い方の変化についてご紹介します!
さらに、おすすめの使用方法も!
ここでスッキリ理解しましょう!
言葉の意味を「辞典」と「ネット」で調べてみた
広辞苑で調べる
風呂に入る時には衣類を包んでおき、湯からあがった時には足を拭うのに用いた布。好色一代女[5]「ゆふべゆふべのぬれ景色、座をとつて―の上に直れば」
物を包むのに用いる方形の布。古くは「ひらづつみ」ともいう。
広辞苑第六版より
物を包むのに用いる布なのですね。風呂上がりに足を拭くのに使っていたのです。
ネットで調べる
言葉の意味を調べる時に便利なサイトがあります。
こちらのサイトで「風呂敷」を調べると
風呂に敷くことからの名。 室町時代の風呂は蒸し風呂のようなもので、蒸気を拡散させるために「むしろ」「すのこ」「布」などが床に敷かれていたものが起源であるが、現在の風呂敷にあたるものは「平包(ひらづつみ)」と呼ばれていた。 足利義満が大湯殿を建てた際、大名達が他の人の衣服と間違えないよう家紋入りの絹布に脱いだ衣服を包み、湯上りにはこの絹布の上で身繕いをしたこという記録があり、これが「風呂敷」と「平包」の間に位置するものと考えられる。 江戸時代に入り、湯をはった銭湯が誕生し、衣類や入浴用具を四角い布に包まれるようになったのが、現在の風呂敷に最も近いもので、風呂に敷く布のようなもので包むことから「風呂敷包み」や「風呂敷」と呼ばれるようになった。 銭湯が発展したのに伴ない、江戸時代の元禄頃から「平包」に変わり「風呂敷」の呼称が一般に広まっていった。
語源由来辞典より
事典で調べる
新谷尚紀監修『和の暮らし大事典』学研(2004年)
この事典によると、
「風呂敷き」の言葉の由来には諸説あると説明しています。
この事典では次の3つを紹介しています。
・蒸し風呂のスノコ板に敷いて使った
・風呂で湯上りのときに足拭きとして使った
・銭湯で自分の衣類を包むために使った
広辞苑も語源由来辞典でも同様の記述が見られます。
風呂敷は、もともと「包むためのもの」だったのですね。
古くには「平包み」と言われ、主に衣類を包む布を表していたのですが、「風呂の敷きもの」のような包物と呼ばれたりしたのです。
その後「風呂敷包み」と呼ばれるようになったと考えられています。
銭湯での使用について、脱衣カゴや棚が一般的になると、銭湯での使用が見られなくなり、他で使われるようになったということのようです。
それでは次に、使い方の変化を見ていきます。
風呂敷の使い方の変化
もともとの使い方は、広辞苑の説明にあったように、風呂に入る時に「衣類を包むため」に使っていたのですね。
使用場所は違っても、「ものを包むために使う」という使用方法については変化はみられないのです。
変化したのは次の部分です。
・素材
・着色方法
・デザイン
・「包みもの」の名称 など
昔の人々の間では、特に物流のために風呂敷が使われたという記録がたくさんあります。
昭和の後期になると、紙袋が一般的になってきました。
その後、コンビニ袋やスーパーのサービスで入れてくれるビニール袋が当たり前のように使用され、風呂敷の出番が少なくなりました。
その間も「素材・着色方法・デザイン」の他は変わらずに風呂敷が使われてきました。
次に、最近の賢い使い方を紹介します。
最近のおすすめ使用方法
コスパに優れている風呂敷
風呂敷のもともとの使用目的を再確認して見直したいのです。
本来の使用方法は、「衣類を包む」ことです。
風呂敷は、衣類を包むのに優れていますよね。
旅行や出張などで、衣類をまとめて持ち運ぶ場面にはうってつけなのです。
最近は、「布団圧縮袋」や「衣類圧縮袋」が一般的になりました。
皆さんも「衣類圧縮袋」は使ったことがありますよね。
これを「風呂敷」に変えてみると、あら便利!
衣類の量が変わっても大丈夫です。しっかりと四隅を結ぶとOKです。
四隅を結ばなくても、しっかりと折りたたんで包むとバッチリです。
ビニール製の「衣類圧縮袋」はある回数を使うと穴が開いて使い物にならなくなるのですが、風呂敷はほとんど劣化しません。
その意味で、風呂敷はコストパフォーマンスに優れています。
衣類の他にもおすすめの使用方法は
サニタリー用品などの小物を入れるのに最適です。
パッと広げると、どこに何があるのか見つけやすく、収納もパッと結ぶだけです。
パソコン関連の小物も別の風呂敷にまとめると、使い勝手が良いですよ。
大体のものは、中身が見えなくても外から触ってみると何か分かります。
実は、書類や資料、ファイルなどが多くなっても一度に運搬できます。
あちこち散乱することがなくて場所の移動も簡単です。
工夫次第で様々な使用方法があるのです!
あなたも自由な発想で使ってみることをおすすめします。
まとめ
昔、自分が社会人になったお祝いに、母が立派な風呂敷をプレゼントしてくれました。
四隅の一角に名字が染められていました。厚手の生地でできた立派なものです。
今でも母の形見として大切に使っています。
旅行や出張のときは、大切なものを包んでくれています。
さらに、カバンやスーツケースの中では揺れや振動にも強く、中のものを守ってくれます。
内容量が変わっても大丈夫です。
昔の人は、本当に良いものを考えたと関心しています。
あなたにも、いろんな場面で使ってみることをおすすめします。
あなたの子どもさんにもプレゼントされることもおすすめします。
参考文献・参考サイト
新村出編 (2008) 『広辞苑第六版』 岩波書店.
新谷尚紀監修『和の暮らし大事典』学研(2004年)
風呂敷の知識|宮井株式会社
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