ふだん何気なく使っているけど、あいまいな表現ってありますよね。
ブログなどネット上で、他のソースから得た情報を自分のサイトに載せたい時ってありませんか?
そんな時に何気なく「参考」や「参照」を使いますよね。
ご存知でしょうが、参考箇所や参照部分を明示していないと、コピペや盗作を疑われる可能性があるのです。
自分の使い方って正しいのか知りたいですよね。
この記事では「参考」と「参照」の違いを分かりやすく解説します。
著作権に関わる事例なので、しっかりと理解して、間違えずに使いたいですよね。
「参考」を使うケース
言葉の意味
「参考」という言葉を辞書で調べてみました。
その結果が次の通りです。
てらしあわせて考えること。 自分の考えややり方を決める手がかりとすること。 また、その材料。
広辞苑第六版より引用
参考は、意見や資料を手がかりにするために、てらしあわせて考えること。またその材料のことを言うのです。
もっと簡単に言うと次のようになります。
『参考とは、自分なりに要約すること。また、その材料』
という意味になります。
決まったルールがない
「参考」について、ルールが特に定められていないのが、混乱を招いている理由のひとつです。
「引用」には著作権法で定められたルールがあります。
『引用のルールとポイント』についての説明はこちらで
ルール違反の引用はアウトですが、「参考」となると意味が違ってきます。
参考とは、もとの著作物を自分なりに要約して自分の文章に埋め込むことを言います。
もとの文章の語尾だけを「である調」から「ですます調」に置換しただけの文章や、もとの文章上の単語を類義語に置換しただけでは「参考」という訳にはいかないのです。
手がかりにしているのでなく、語尾や単語を置換しているだけなので、参考ということはできないのです。
ルールがない分、しっかりとソースの出どころを明記したほうが良いのです。
「この資料を手がかりにした」ということを明記するのです。
参考文献の具体的な表示方法
参考文献の書き方について説明しているサイトは、ほとんどの大学にあるのです。
学生に対して「レポートや論文の書き方」等を分かりやすく解説しているページがあるので、そちらを参考されるのがおすすめです。
★論文等に関して
★ウエブページでの表記方法について
法律編集者懇話会,『法律文献等の出典の表示方法[2014年版]』,特定非営利活動法人法人法教育支援センター,(参照2018,5,25)
「参照」を使うケース
言葉の意味
「参照」という言葉も辞書で調べてみました。
結果は次の通りです。
照らし合わせて見ること。引き比べて参考にすること。
広辞苑第六版より引用
「参考」と「参照」を簡単に言うと次の通りです。
・参考は意見や資料を手がかりにすること。
・参照は資料を照らし合わせること。
・参考の方が範囲が広く、対象が事例や資料などがある。
・参照は範囲が指定される。対象は文章や図などの資料など。
人のやっていることを参考にできますが、参照はできないですよね。
しかし、人のやった話や映像をまとめた資料は参照できるのです。
ネット上で「参照」を使う場合のおすすめ書式は下記の通りです。
著者名. ”ウェブページの題名”. ウェブサイトの名称. 更新日付. 入手先, (入手日付).
最後にある(入手日付)のところに『(参照20○○,○,○○)』とするのがおすすめです。
まとめ
参考と参照の違いは理解できたでしょうか。
参考は意見や資料を手がかりにすることです。
参照は資料を照らし合わせることです。
参考は「意見や資料から」できるのに対して、参照は「資料から」というように、範囲が限定されているのです。
もっと簡単に言うと、
モノゴトは参考にできるけれど、参照できるのはモノに限る。
参照よりも参考のカバー範囲が広い。
迷った時には「参考」を使うと無難。といったところです。
この記事は、下記の書籍を参照しました。
新村出編 (2008) 『広辞苑第六版』 岩波書店.
参考にした記事は次の通りです。
参考:文化庁 著作物が自由に使える場合 (注5)引用における注意事項
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