ひとくちに車の運転といっても、ドイツと日本ではそのルールが大きく違います。
海外に行くときには「何とかなるさ!」の精神も大切ではあります。
しかし、こと運転に関しては命に関わることでもありますので、ルールをしっかり覚える必要がありますね。
これから留学や仕事でドイツを訪れる予定のある方は、もしかしたら車の運転をすることになるかも!?
そうなって焦ることのないように、ドイツでの運転ルールについて学んでおきませんか?
ハンドルを握る手が震える…?ドイツの運転ルールは絶対的!?
ドイツで運転するときにまず重要なのは、右側を走行するということです。
そもそも車も左ハンドルで、日本車で左側走行に慣れていると混乱しますよね。
しかし、右を走るなんていうのはまだ序の口で、ドイツの運転にはもっとややこしいルールがあるのです…。
●何が何でも右が優先!
日本の運転ルールでは「基本的に」左が優先ですが、ドイツはその逆で右が優先です。
しかも、日本のような譲り合う心から生まれてしまう曖昧さはなく、とりあえず右が優先なのです。
ドイツの場合信号も優先道路の標識もない交差点に差しかかったとします。
優先されるのは直線を走行する車ではなく、右折する車というから驚きです。
T字の交差点を思い浮かべてもらうと、分かりやすいかもしれません。
●歩行者が先、絶対に!
信号のない横断歩道を渡る人がいれば、車は歩行者を優先して渡らせる。
これは日本の教習所でも習うことですし、ドイツも同じルールです。
うちの近所にもそんな横断歩道があるのですが、子連れで待っていたとしても、止まってくれない車が多いです。
日本では車が来ていれば当然止まって様子を見るのですが、「行かないなら行くよ」という感じなのでしょうか。
日本ではそれでよくても、ドイツではそういうわけにはいきません。
日本の感覚でそのまま走っていくと、横断者をはねることになります。
そうならなくても、横断者からものすごく怒られます。
●キープ・ライト
右側走行のドイツでは、追い越しをする場合を除いて「キープ・ライト(右を走り続ける)」です。
追い越しをしないにも関わらず、左側を走り続けることは禁じられています。
●道を走る速度
標識の指示がない限り、一般道は時速100キロ、市街地は時速50キロと定められています。
一般道と市街地の区別は、標識によってできます。
黄色い標識に街の名前が書いてあるものがあれば、それは市街地の始まりを意味しています。
同じ標識に赤い斜線が引いてあるものが、市街地の終わりを意味する標識となっています。
ちなみに、ドイツの高速道路であるアウトバーンの制限速度はありません。
最低でも、時速130キロを出すことが推奨されているくらいです。
アウトバーンのことについては、次に詳しくご紹介しようと思います。
日本の運転に慣れてしまっていると、ドイツで右側を走行するのにも最初は苦労しそうですね…。
しかも、アウトバーンでは制限速度がないと言いますから驚きです。
近頃の日本では危険なあおり運転が問題になっていますが、アウトバーンでは大丈夫なのでしょうか?
同乗者も手に汗握る!!スピード出し放題のアウトバーンとは!?
そのとき走ったのがアウトバーンでしたが、「バスがこんなにも速く走るものか」と驚いたのを覚えています。
アウトバーンは速度無制限ではあるのですが、実はすべてのエリアが速度無制限ではありません。部分的に速度制限区間があるのです。
また、速度無制限区間においても、車によっては速度制限があります。
大型トラックやバス、トレーラーをけん引しているような乗用車には、それぞれ制限速度が設けられています。
スピード出し放題のエリアとそうでないエリアの比率は、半々というところ。
速度制限区間があること、道路の路面状態の悪さ、交通渋滞…。
これらの要因によって、速度制限がなくても300キロ近いスピードで走ることは難しくなってきたそうです。
意外に少ないアウトバーンでの事故
300キロは無理にしても、それなりのスピードで運転するアウトバーンです。
ひとたび事故が起これば、ただでは済みません。
ドイツ全体の死亡事故で見ると、アウトバーンでの事故は意外と少ないのです。
それは、速度の遅い車が、早い車に追い越させるというルールをきちんと守っているからです。
また、自分の車の性能に見合った運転をしているといいます。
友人の話ですと、ポルシェやBMW、フォルクスワーゲンなどの高性能車はスピードを出す傾向があるんですね。普通の乗用車は道を譲ってスムーズに走行しているのです。
日本のように軽自動車が猛スピードで走るような光景は、見られないのかもしれませんね。
ちなみに、アウトバーンの始まりは実は意外な人物から…。
近隣国を恐怖に陥れたナチスドイツの総統、アドルフ・ヒトラーによって企画されたものでした。
軍事的な目的と失業者対策として、1933年に起工したのが始まりなのです。
お礼のつもりが…!?ドイツで気を付けたいハザードランプの使い方
日本では、後続車に対して「ありがとう」の意味でハザードランプを点けることがあると思います。
教習所の教科書に載っているわけではないのですが、話で聞くことはあるかと思います。
しかし、同じことをドイツでやると大変なことになるのでご注意を!
ドイツでこのような意味でハザードを点灯させると、パッシングとして受け取られます。
相手をバカにする意味合いになるようです。
国民性の違い!?
先にご紹介したように、ドイツでは徹底的にルールを守る傾向にあります。
相手が優先なのに割り込めば、当然ながら怒られます。
同時に、自分が優先なのにもたもたしていると、これも怒られる可能性があります。
「譲ってもらってのハザードランプ」という状況は、そもそも起こりえないかもしれませんね…。
まとめ
子どもを乗せる必要に迫られて、ようやく重い腰を上げだしたところなのです。運転に慣れていないぶん、ルールが曖昧になっている部分には戸惑います。
自分が優先なのにもたついてしまい、相手が先に行ってしまうこともあります。
制限速度があっても、それ以上のスピードで流れに乗らないといけないときもありますよね。
ルールという下敷きがあるのに、空気を読んで周りと合わせる…。
これは、すごく日本的なやり方だと思います。
そして、空気は読まずにルールを守るのがドイツなのです。
ドイツ人自身がどう感じているのかは分かりませんが、私はそうあるべきだと思っています。
守らないのなら、ルールを作る意味はありませんよね?
譲り合う日本の運転は、私たちの誇れる習慣だとも思います。
ときに融通が利かないほどにルールを守るドイツのやり方にも、正しさを感じます。
どちらにも、その国に合ったよい部分と、理解されにくい悪い部分があるのでしょうね。
いずれにしても、他のドライバーや歩行者たちに危険の及ばないような運転を心がけたいものですね。
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