こどもの日の食べ物といえば、柏餅やちまきが有名ですよね。
でも、どうしてこどもの日に柏餅やちまきを食べるのか、その由来が気になるところだと思います。
柏餅には、柏の性質から『子孫繁栄』、ちまきには『魔除け』という意味があり、その由来は古代の中国までさかのぼります。
それでは、こどもの日の食べ物について詳しくご説明していきますね!
こどもの日の食べ物にはこんな由来が!
こどもの日の食べ物代表ともいえる、柏餅とちまきについてその由来を見ていきましょう。
こどもを思う親の温かい心が、ずっと昔から続いていたんです。
なんだか温かい気持ちが伝わってきますよ!!
【柏餅】かしわもち
柏餅は日本独自の食べ物で、文字通り柏の葉が使われています。
柏の木というのは、新しい葉が生えるまで古い葉が落ちずに残っているんですよ。
このことから、
『新しい葉が生える(=後継が生まれる)まで、古い葉が落ちない(=親が死なない)』
ということで、家系が絶えずに続いていくようにとの願いが込められているんです。
つまり、子孫繁栄を祈った縁起物というわけですね。
もともとこどもの日は端午の節句といって、男の子の節句の日でした。
昔、男の子は後継として考えられていたので、柏餅を男の子の節句に食べるようになったのでしょう。
今では5月5日はこどもの日ですが、柏餅を食べる風習は引き継がれていますよね。
【ちまき】
柏餅は日本の食べ物でしたが、ちまきは中国由来の食べ物なんですよ。
ちまきの発祥は、なんと古代の中国です。
ちまきの始まり
昔、楚(そ)という国に屈原(くつげん)という詩人がいました。
非常に優秀だったので王の信頼を得て位の高い職につきましたが、
ほかの役人の陰謀により、失脚して左遷させられてしまいます。
悲しみに暮れた屈原は、川に身投げをして亡くなってしまったんです。
そんな屈原を弔うため、人々は川にお供え物を投げ入れました。
ですが、あるとき屈原の霊が現れて
『川には悪い龍が住んでいるから、お供え物を食べられてしまう。これからお供え物は、厄除けとして龍が嫌いな笹の葉で包み、邪気を払う五色の糸で縛ってほしい』
と伝えたんです。
これがちまきの始まりです。
日本では笹の葉ではなく茅(ちがや)の葉で巻かれたので、ちまきと呼ばれるようになりました。
ちなみに、五色の糸はちまきではなく、鯉のぼりの吹流しで使われていますね。
この逸話から、ちまきは魔除けとして扱われるようになったんですよ。
なぜこどもの日に食べる?
なぜちまきをこどもの日に食べるのかというと、実は屈原の命日が5月5日なんです。
たまたま端午の節句の日と同じ日だったので、5月5日に魔除けとしてちまきを食べるようになったんですよ。
偶然が重なって風習となり日本に伝来したなんて、すごいですよね!
まさか屈原も、海を超えて広がるだなんて思ってもみなかったことでしょう。
以上が、こどもの日に柏餅とちまきを食べる由来です。
二つとも、ただの和菓子ではなかったんですね!
関東と関西では、こどもの日に食べる物が違う!?
主に関東では柏餅を、関西ではちまきを食べることが多いといわれています。
では、それぞれどうして関東には柏餅、関西にはちまきが広まったのかお話しますね。
関東で柏餅が広まったのは?
先ほどお伝えしたように、柏餅には子孫繁栄の意味がありましたよね。
江戸時代、関東である江戸には、後継が必要な武家屋敷がたくさんありました。
そのため、子孫繁栄を意味する柏餅を食べる風習が広まっていったんですよ。
また、柏餅の発祥は江戸時代です。
江戸文化の影響を強く受けたというのも、柏餅が関東で広まった理由の一つですね。
関西でちまきが広まったのは?
関東が江戸文化の影響を受けたなら、関西は中国文化の影響を受けているんです。
ちまきは中国から伝わっていたものですよね。
中国から伝わってきたのは日本が平安時代のときです。
その当時、都は近畿にありました。
そのため、関西では中国文化であるちまきを食べる風習が広まったんです。
関東と関西で食べる物が違うなんて、驚きですよね。
ちなみに、私は愛知県出身ですが、関東と関西の境目にあるせいか、
こどもの日には柏餅もちまきも、両方食べる風習がありますよ。
同じこどもの日なのに、その土地によって何を食べるか変わるのはおもしろいですね!
まとめ
いかがでしたか?
柏餅もちまきも、子どもの無事と立派な成長を願う親の気持ちを代弁してくれるような由来でしたよね。
今年のこどもの日は、ぜひ由来をお子さんに伝えながら柏餅やちまきを食べてくださいね!
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