『あかりをつけましょ、ぼんぼりに…』
「うれしいひなまつり」と題されたこの歌を、誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。
意味も分からないままに、口ずさむこともあったかと思います。
ひな祭りといえばこの歌ですが、実はそこには隠された意味があるのをご存知でしたか?
今回は、ひな祭りの情景を歌った童謡の裏側に迫ってみたいと思います。
ひな祭りの歌に隠された意味とは?実は悲しい歌だった!?
「うれしいひなまつり」は、タイトルも、描いてる場面も明るいものです。
でも、そのメロディーはどこか物悲しく感じられませんか?
それもそのはず、これは作詞者が亡き姉に捧げたレクイエムとする説があるのです。
作詞者のサトウハチローは、「ちいさいあき」などでもおなじみの童謡作詞家です。
悲しいことに、それは結婚が決まってすぐのことだったそうです。
これに関係するフレーズに、ピンときましたか?
歌の2番に「お嫁にいらした姉さまに」という下りがありますね。
これがまさしく、そのことを表した部分なのです。
お嫁に行くことになった姉とよく似ているとされるのが、顔を白くした官女ですね。
結核を患うと衰弱し、顔も青白くなってしまいます。
化粧で白く塗った顔に、病に臥せった姉の生気のない顔を重ね合わせたのでしょう。
そういった背景を知ると、何気ないひな祭りの一幕をとらえた歌が、実は悲しい歌だったんだと思えてきます。
それはただ、白い紙に墨が一滴垂れたぐらいのことです。
しかし、明るい情景の中に埋め込まれたその一点は、妙に際立って見えるものかもしれませんね。
本当は歌ってほしくない!ひな祭りの歌は嫌われていた!?
楽しい歌の中に姉の死を隠したサトウハチロー氏ですが、実はこの歌を生涯嫌っていたらしいのです。
今や知らない人はいない有名な曲ですが、どうしてこの歌が好きではなかったのでしょう?
それは、この歌の中で、彼がいくつかの間違いをしてしまったからなのです。
まずは2番の歌詞に、「お内裏さまとお雛さま」という部分がありますね。
これらは、正式には「男雛(おびな)」と「女雛(めびな)」と呼ぶそうです。
その2体を指して「内裏雛(だいりびな)」と言うのが正解なのです。
もうひとつは、3番の「赤いお顔の右大臣」です。
赤いお顔をしているのは右大臣ではなく、「左大臣」だったのです!
間違いをしてしまったこと自体が、既に「赤いお顔」状態…。
そのうえ、それが有名になって広まったからたまったものじゃありません。
それゆえ、サトウハチロー氏はこの歌を嫌い、捨てたいとさえ言ったとか。
ケアレスミスには、気を付けないといけませんね。
ひな祭りの歌に出てくる白酒はアルコール飲料!?
ひな祭りの歌に出てくる「白酒」ですが、これが何か考えたことはありますか?
実はこれ、れっきとしたアルコールを含むお酒なのです!
最近ではスーパーで、ひな祭り用の甘酒が売っていますよね。
甘酒は米麹から作られるノンアルコール飲料です。
対して、白酒の原料は酒かすなんですね。
ひな祭りは女の子の節句なのに、昼間から堂々と酒を飲んでいたのか…。
一気に荒れた雰囲気が漂いますが、実際は、子どもには甘酒を飲ませていただろうという説が有効です。
なので、おうちでは甘酒でお祝いしてくださいね。
まとめ
私には弟と妹2人がいるのですが、女子の比率が高いにも関わらず、うちにはお雛さまがありませんでした。
正確には、ガラスケースに小さな内裏雛(お内裏さまとお雛さまじゃないんですよ)が収まるものだけでした。
近所には女1人でも段飾りのお雛さまをもっている子もいましたが、特に気にもしていなかったです。
そういうものには興味がなかったようで、ひな祭りの歌も「替え歌」でワーワー歌っていたほどです。
歌ってはギャハハと爆笑していた気がしますが、歌の隠された意味を知った今では、ちょっと反省しています。
「うれしいひなまつり」は、そういう悲しい背景を含めても、愛される歌なんだと思います。
それは、誰のまぶたの奥にでもある「懐かしいあの日」を歌ったものだからではないでしょうか。
残念ながら、私は娘をもつことができませんでした。
しかし、アラレ目当ての食いしん坊な息子たちと、毎年ひな祭りを楽しんでいます。
上の子は歌が好きなので、そろそろ教えてあげてもいいかな?
あなたも、ご家族と一緒に素敵なひな祭りをお祝いしてくださいね。
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