2月も半ばになり、3月3日のひな祭りの時期が近付くと、よく「うれしいひなまつり」の歌がお店で鳴っているのを聞くことがありますよね。
小さい頃から何度も聞いたことのある童謡だと思いますので、誰もが知っていますよね。
でも、よく聞いてみると、どういう意味なのかな?
と思う歌詞があったり、この歌詞は間違いなのでは?
と思われる部分があるみたいです。
この記事では「うれしいひなまつり」の歌の意味を歌詞を交えながらお伝えしていこうと思います。
覚えていますか?うれしいひなまつりの歌詞
まずは、「うれしいひなまつり」の歌詞を振り返ってみましょう。
お花をあげましょ 桃の花
五人ばやしの笛太鼓
今日は たのしいひなまつりお内裏さまと おひなさま
二人ならんですまし顔
お嫁にいらした姉さまに
よく似た官女の 白い顔金のびょうぶにうつる灯を
かすかにゆする 春の風
すこし白酒めされたか
赤いお顔の右大臣着物をきかえて 帯しめて
今日はわたしも晴れ姿
春のやよいのこのよき日
なによりうれしい ひなまつり
いかがですか?
小さい頃によく聞いた歌ですが、思い出せましたでしょうか?
懐かしい記憶とともに蘇ってきたのではないですか?
なんとくなく覚えたこの歌。
大人になった今改めて聞いてみると、こんな歌詞だったんだなあと思う部分がありますよね。
誰が作った歌?どんな経緯で作られたの?
この「うれしいひなまつり」は、
1935年に山野三郎氏(現在はサトウハチロー氏)が作詞、河村直則氏(現在は河村光陽氏)が作曲をした童謡です。
この童謡は、サトウハチロー氏が自分の娘にひな人形を買い与えた前後に作られたものだと言われています。
ただ、実はもう一つの話があるんです。
歌詞の中に
「お嫁にいらした姉さまによく似た官女の 白い顔」
という部分があります。
おひな様が主役となるはずのこの歌に官女がお姉さんに似ているという、
官女が注目されていることに少し不思議な感じがありますよね。
そういった自身の経験から、お姉さんへの恋しさや悲しみを表現して、おひな様に似ているのではなく、あえて白い肌の官女に似ているという表現を使ったという話があります。
間違い?気になる歌詞2箇所
これはよく聞いて考えてみると分かるのですが、
・2番「お内裏さまとおひなさま」
・3番「すこし白酒めされたか 赤いお顔の右大臣」
の部分です。
まず2番の部分ですが、
お内裏さまという言葉が何を示しているのかということですね。
この歌詞を聞いていると、お内裏さま=男雛と思ってしまいますが、
実は、内裏というのは、天皇の私的区域の名称で、
お内裏さまというと、本来は天皇皇后の二人のことをさします。
ですので、お内裏さまとおひなさまと言ってしまうと三人が並んでいる状態となってしまうので、ちょっと状況が変わってきてしまいますね。
お殿さまとおひなさまという表現が正しいことが分かります。
次に、3番の部分です。
ひな人形の中には左大臣と右大臣がいますが、
左右どちらがどちらをさすのかというと、
私たちから見て左右ではなく、お殿さまから見て左右です。
ですので、私たちから見ると、
左側にいる若い大臣が右大臣、右側にいる白いヒゲのおじいさんの大臣が左大臣になります。
ひな人形をよく見てみると、赤い顔をしているのは左大臣の方だと分かります。
ですので、こちらも、赤いお顔の左大臣という歌詞が正しいんですね。
まとめ
いかがでしたか?
小さい頃や今でも、ひな祭りの時期になるとよく聞くこの歌。
「うれしいひなまつり」というタイトルながら、悲しい思い出が隠れていたり、実は表現が少し間違っている部分があったり、新しい発見や学びがあったのではないでしょうか?
左大臣、右大臣の考え方も、「お殿さまから見て」どちらか、という考えに基づいているので、ちょっと勉強になりますよね。
今年はこういったことも考えながら、ひなまつりの歌を聞いてみてくださいね!
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