お盆に海に入るのはダメな理由!実はとても理に適っていた!?

この記事は約6分で読めます。
スポンサーリンク


「お盆には海に入っちゃダメ!」

親や親戚の人に、そんな風に言われた記憶はありませんか?

海に行くと幽霊に足を引っ張られるだとか、そんな話を聞いたことは…?

これは、昔からの言い伝えです。

しかし、お盆に海に入ってはいけないというのは本当のことなんですよ…。

それはなぜか?

今回は科学的な側面からと伝統的な側面からその理由に迫ります!

スポンサーリンク

科学的な側面から考えた、お盆に海に入るのがダメなホントの理由とは?


もしかしたら本当かもしれませんが、幽霊が出るという話はとりあえず置いておきましょう。

お盆に海に行ってはダメと言われる理由には、実はこんなものがあるのです。

●水温が低い

お盆のころはまだまだ暑いですが、海水温は低くなり始める時期なんですね。

気温が高いぶん、水温の低くなった海に入るのは危険が伴います。

外と水中の温度差によって足がつったり、最悪の場合は心臓麻痺が起こるかもしれません。

●土用波

土用波というのは、夏から秋にかけて太平洋の沿岸部で生じると言われる大きな波のことです。

遠くの海で生まれた台風によってうねりが生じ、それが大波に変わったものとされています。

お盆以降は台風の発生率も増え、土用波が発生する機会も多くなるのです。

泳ぎの上手い人でも飲み込まれてしまうほど、土用波の威力はすさまじいと言われています。

そのため、お盆に海に入るのをいけないこととする言い伝えが生まれたのです。

●離岸流

離岸流というのは、海岸に打ち寄せた波が沖に戻ろうとしたときに生じる流れのことです。

読んで字のごとし、岸から離れていく流れを指します。

これに巻き込まれると、知らず知らずのうちに沖に流されてしまうのでとても危険です。

遠浅で海岸線の長い場所は、離岸流の起きやすい地形とされています。

浅くて溺れる心配がないと、気を緩めるのは要注意。

過去には、離岸流に巻き込まれてたくさんの死者が出た事故も起こっています。

●クラゲの発生

クラゲの子どもは、海中で岩に付いてイソギンチャクのように暮らしています。

それが大人になると海上近くに浮き上がってくるのですが、それがちょうどお盆の時期と重なります

お盆の時期は海水温も高く、クラゲが成長するのにとても適した環境なんですね。

そのうえ、先にご紹介した土用波の影響で、クラゲがわんさかと沿岸部に押し寄せてくるのです!

クラゲには、強い毒を持つものもいます。

クラゲに刺されるリスクを考えて、お盆に海に入るのはダメということになったのでしょう。

水が冷たい、大きな波、離岸流、クラゲ…。

お盆の海には、こんなにも危険に満ちあふれていたのですね!

お盆の海に潜む危険に気付いた先人たちは、それらしい理由を作って海から遠ざかったのでしょう。

あれこれ説明するより、「幽霊が出るぞ!」と言われたほうが効きそうな気はしますね。

特に、分別の付かない子どもには打ってつけのやり方かもしれません。


伝統的に考えてみた、お盆と海と幽霊のかかわりについて

お盆に海に入ってはダメな理由は、海に危険が多いからだと書かせていただきました。

しかし、それはあくまで科学的に考えた場合です。

お盆と海と幽霊には、実はそれなりのかかわりがあるようです。

●お盆はご先祖様の里帰り時期

お盆休みに帰省するのは、何も生きている人たちばかりではありません。

そもそものお盆は、亡くなったご先祖様たちがあの世からこの世へ里帰りする時期なのです。

このために、お盆には必然的に地上にいる幽霊の数が増えると考えることもできませんか?

●水辺には霊が集まる

お盆であの世から帰ってきた霊の中には、帰るべき場所を見失ってしまうものもいると言われています。

また、不慮の事故で命を失うと、あの世に行くことを忘れてさまよってしまう霊もいるとか。

海をはじめとした水辺には、そんな霊たちが集まりやすいと言われています。

水辺に霊が集まるのには、ちゃんとした訳があります。

聞くところによると、死ぬというときにはとても喉が渇くらしいのです。

そのため、死んで行先の分からなくなってしまった霊たちは、渇きを癒そうと水のある場所に集まるらしいのです。

海を通って、ご先祖様があの世とこの世を行き来するという話もあります。

いずれにしても、海はそんな霊たちの集まりやすい場所ということ。

ただでさえそういう性質を持った場所に、お盆が重なるとどうなるか…。

昔の人でなくても、「お盆に海に入っちゃダメ!」と言いたくなりますね。

まとめ

いかがでしたか?

お盆に海に入ってはダメな理由について、2つの面からに迫ってみました。

科学的な側面からと伝統的な側面から考えてみました。

参考になりましたでしょうか。

 

私は海のない場所で育ちました。

なので、「お盆には海に入っちゃダメ」というのは、実体験を伴わない言い伝えです。

「幽霊が出るのは怖いなあ」と怯えたり、「何で入っちゃダメなんだ」と怒ったこともないのです。

 

それはさておいても、お盆時期の海には本当に危険がいっぱいですね。

夏と言えば海なので、まさかそこにこんなにも危険がいっぱいだなんて思いもよりませんよね。

「水が冷たくても大丈夫!」

「波には気を付けるから大丈夫!」

「クラゲにも気を付けるから大丈夫!」

 

そう思っていても、一瞬の気のゆるみで、人は簡単に命を落としてしまうものなのです。

お盆はご先祖様の里帰りを喜ぶときだと思います。

しかし、そこに新たに加わる人がいたとしたら、それは絶対に喜ばしいことではありませんよね。

死んでしまうより、生きているほうがいいに決まっていますから。

 

お盆はまだまだ夏です。

海での遊びも恋しいでしょう。

しかしここは、「お盆に海に入ってはダメ」という先人の言葉に素直に耳を傾けておきませんか。

「お盆には海に入っちゃダメだよ」

「去年それを聞かなかった人がいて、海で溺れてしまってね」

「お盆に海に入ると、その人が足を引っ張ってくるよ…」

“その人”とは、先人の言葉に耳を傾けられなかったいつかの誰かかもしれませんね…。

合わせて読みたい記事はこちら!

コメント